「TRONで変わるコンピュータ」・1章

俺って基本的に文章読むのが早いんですよ。
加えて一度読んでいるというのもあるけれども。
ってことで1章読んでの感想。
ノイマン型コンピュータについての記述は無関係なので飛ばしました。


1章を読んで私の中でのひとつの疑問が氷解した。
かたちは全く違えども、坂村健先生の理想はある程度実現している。
それは「ヨコ方向での互換」ということ。


現在パーソナルコンピュータで使われているデータは殆ど標準化されました。
本当の意味での標準化(=オープンソース・オープンアーキテクチャ)だったり、そうでなかったりの差はあれど。
WindowsMac OS XLinuxという、まぁ三大OSだと基本的にデータに互換性がある。
事実上の標準を獲得してしまった例としてはMicrosoft Office形式のファイルとか。
まぁOpenOffice.orgなどOffice以外のソフトウエアでも、若干の差はあれど互換性が実現している。
Microsoftも「どーせ事実上の標準獲ったし、ある程度解析されてるし、もういっか」てな感じでXMLへと移行するみたいですが。


ハードウエアの互換性という点でもそう。
数々の標準規格が策定され、大抵のハードウエアはWindows/Macintosh/Linux の分別なく使えます。
ドライバさえ書けば他のOSでも基本的なその規格の仕様は同じわけで。
(USB、Firewire(IEEE1394、i・Link)等)
レガシーデバイスだってそうだよね。
まぁ例えば今まではPS/2とADB、みたいなことはあったけれども。


坂村先生がこの本で言われている「コンピュータをクルマのようにしたい」という理想。
これも実現した。
ある程度マルチウインドウシステムのGUIというのが標準化され、例えばMacWindowsだとさほどの違和感がない。
(あるけど、実はさほどのものじゃない。)
クルマに例えるとちょうど90年代のシトロエンのような例外があるわけですよ。
加えて、日本車は世界の規格(ISO)から逸脱しているという事実。
日本車のウインカー・レバーは右にあるじゃないですか。
ISOだと右ハンドルでもウインカー・レバーは左。
ちょっと坂村先生、車に関しての知識は少ないかなぁと。
ただ、上記のウインカーの例というのがそのままGUIにも当てはまるかなぁと。
(WindowsMacintoshにはウインカー・レバーの位置くらいの違いしかない、と言っているわけではないです。あくまでGUIだけを見た場合。)


そして。
BTRONの現状はどうかと言ったら。
そもそもファイルという概念がないからかちょっと互換性に関しては疑問。
「気持ちよく他のOSとデータのやりとりができるか」これ、実際にBTRONを使うことになったら書こうと思います。