「TRONで変わるコンピュータ」・はじめに

まずは、自分の読み方。
これは読書する際あまりやってこなかったのですが、(本に)書き込みをしつつ読み込んでいこうと。
いわゆる三色ボールペン読書法ってやつかな。
(自分が)賛成する意見には青、反対する意見には赤、と。


「はじめに」ですが、大変書かれている内容が古い。
(本書全体に言えますが)
まず、機種ごと・ソフトウエアごとの操作性が統一されていないという指摘。
これはこの当時の、例えばPC-9801MS-DOSでアプリケーションを動かすという環境*1だと確かに言えています。
ただ、2005年の現在、そんなことはありません。
ご存じの通り世界のパーソナルコンピュータは結局、ほとんどがIBMPC/AT互換機MicrosoftWindowsという組み合わせです。
キー配列ひとつとってもほとんどが106/109キーボード
非常に強引な手段とはいえWindowsはなんだかんだ言って普及して、事実上の標準(デファクトスタンダード)になった。


現在の、Windowsを含めてのGUIの源流というのは当然Macintosh*2です。
GUIというか、フォルダ/ファイル/アプリケーションの概念が、かな。
そしてBTRONにはそれらの概念がない。
むしろ(ある程度の)標準から逸脱してしまった。


データの互換性ということで言うと、様々な(オープンとは言えないにしても)標準規格が作られて普及しています。
そして、BTRONがそれらに完全に対応しているかというと「?」なわけで。
ましてやTADとなると他のOSで(そのままで)読む手段がない。
例えば汎用的に使えるハイパーテキストの標準規格だとXMLなんかがあるよね。
それらとの融合ってことが必要なんじゃないのかなぁ。


「はじめに」を読んで思ったのはそんなところかな。
ほとんど反論ですね。


ただ、大変に感動した部分があるので全文引用させていただきます。(太字はWataによるもの)

 本書は語り口こそ平易だが、重要なTRONの考え方の啓蒙書と言える。というのは、TRONはもともと「一人に一台」の時代のコンピュータを目指しているのだから、その対象となる「普通の人」が本書を読むことでTRONに対してどんな印象をもつかが、今後のTRONプロジェクトの進捗にも大きな影響を与えてくると思うからだ。一般の人がTRONに対して共感を持てないようでは、TRONの存在意義自体が失われてしまうのだから……。
 その意味からも、本書によって一人でも多くの方がTRONに対して興味をもち、TRONプロジェクトに対して御支持をいただければ、TRONを推進しているものとして、これにまさる喜びはない。

…啓蒙者になれるように努力します…。
そのためのこのBlog、そして俺の活動なのだから。

*1:加えて、FM-TOWNSX68000など国産独自アーキテクチャのパソコンが多数あった時代。

*2:XEROX「Alto」じゃないかという指摘。あれはちょっと違いますよ。